あなたはこんな愁訴にお悩みではありませんか?

 

・夜中にトイレに行くため2回以上目が覚める。

・一度トイレで目が覚めると、その後なかなか寝付けないことが多い。

・夜中に急に、我慢できないほど強い尿意(尿意切迫感)で目が覚めることがある。

・夜中にトイレに行く途中で、ふらつき転倒しそうになった経験がある。

・朝起きた時に、熟睡できた感じがせず、疲れが残っている。

・日中に強い眠気を感じ、ボーっとしている時間が増えた。

 

夜間頻尿の治し方

夜間頻尿とは、日本泌尿器学会では、「夜間に排尿のために1回以上起きなければならない状態であり、それによって本人が困っている訴え」と定義されています。

 

重要なポイント

1.回数の目安は「1回以上」であること

 医学的には1回以上とありますが、臨床現場では2回以上起きる場合に治療の対象にな

ることが多く、特に生活の質への影響が大きいと考えられています。

夜間に1回以上トイレに起きるのは、60代で約6割、80代では約9割というデータも

あります。

2.「本人が困っている」かが重要

 例えば、夜間に1回トイレに起きたとしても、その後すぐに眠りに戻ることができ、日

中の活動に全く支障がない人は問題ありません。

一方、1回であっても、一度起きるとなかなか寝付けなくなる、日中に強い眠気を感じたりするなど、睡眠の分断によって生活の質(QOL)が低下して困っている場合は、夜間頻尿として対処すべきです。夜間頻尿は単なる回数の問題ではないと言うことです。

 

多くの方が「年だから仕方ない」と諦めてしまいがちですが、夜間頻尿は単なる加齢現象ではなく、その背後には様々な原因が隠れています。そしてその原因に応じた適切な対策や治療を行うことで、症状を改善することは十分に可能です。

 

夜間頻尿が起こる4つの主な原因

.多尿(1日の尿量が多い)

 多尿

 ・医学的には、1日の総尿量が体重1kgあたり40ml以上(例:体重50kgの人で

2000ml以上、体重70kgの人で2800ml以上)の場合を多尿と定義する。1日の尿量

が多ければ、当然、夜間の尿量も増えトイレに行く回数も増える。

 ・高齢者は、1日の総尿量が、体重1kgあたり30mlが目安。「例:体重50kgの人で

1500ml(食事以外で)」

2.「夜間多尿(夜間の尿量が多い)」

 加齢とともに抗利尿ホルモンの分泌量低下

 ・通常、夜間の尿量を減らすために「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」というホルモ

ンが脳下垂体から分泌され、主に腎臓に作用し、尿の量を調整して水分のバランスを

保つ役割を果たす。

 ・加齢とともにホルモンの働きが弱くなると、夜間でも昼間と同じくらいかそれ以上の

尿が作られてしまう。その結果、何度もトイレに起きることになる。

 下半身のむくみ(浮腫)

 ・日中の行動では、重力の影響で体内の水分が下半身(特に脚)に溜まりやすくなる。これが「むくみ」。

 ・夜横になって眠ると、下半身に溜まっていた水分が血管内に戻り、循環血液量が増加

する。腎臓が余分な水分と判断し、尿として排出しようとするため夜間の尿料が増える。

3.「膀胱容量の減少(尿を溜められる量が減る)」

 加齢による膀胱の弾力性低下

・年齢を重ねると、膀胱の筋肉も硬くなり、弾力性が失われる。

 これにより膀胱が十分に拡張できなくなり、溜められる尿の量が物理的に減少する。

・若い頃は、400ml~500mlもの尿を溜められた膀胱が、60歳を過ぎると、200ml程度し

か溜められなくなることも珍しくはない。

つまり、少しの量の尿が溜まっただけで、もうトイレに行きたいという信号が脳に送ら

れるのだ。

4.「睡眠障害」(眠りが浅いために、僅かな尿意で目が覚めてしまう)

 ストレスや不安

 ・精神的なストレスは交感神経を優位にし、心身を興奮状態にするため、寝つきが悪く

なったり、夜中に目が覚めやすくなる。

 むずむず脚症候群

 ・夕方から夜にかけて、脚にムズムズするような不快な感覚が現れ、脚を動かさずには

いられなくなる病気。入眠を妨げ、睡眠を浅くする原因になる。

 痛みやかゆみ

 ・関節痛や皮膚のかゆみなど、身体的な不快感も睡眠の質を低下させる原因となる。

 

このように、夜間頻尿の原因は一つではありません。ご自身の生活習慣や体調を振り返り、どのタイプに当てはまる可能性が高いかを考えることが、効果的な対策への近道となります。

 

さあ、夜間頻尿を克服し「睡眠の質を上げ、朝までグッスリ眠れる快眠」を取り戻しましょう! 

 

夜間にトイレで起きないための対策

1.「身体の歪みを調整する」

 ・まず、一番重要なのは「身体の歪みを正す」ことだ。骨格の歪みがあると、神経や

血管を圧迫し、自律神経に影響を及ぼす。

 ・自律神経は膀胱の働きをコントロールしている。ストレス・不規則な生活・睡眠不

足などで自律神経が乱れると、膀胱が過敏になってしまい少しの刺激でも、直ぐにト

イレに行きたくなってしまうのだ。

2.「経絡や手指・足のツボ押し」

就寝30分前に刺激する

 経絡

「任脈・脾経のツボ」を刺激する

・「腎経・尿管・膀胱」を刺激する

手指

 ・「反射区(頻尿)・(不眠)のツボ」を刺激する

3.「水分摂取の時間と量を見直す」

 ・午前中から午後3時くらいまでの間に、1日に必要な水分の約7割を取ること。

 ・具体的には、朝起きたらコップ1杯、午前中にコップ2杯、昼食時にコップ1杯。午

後にコップ1杯といった具合に。夕方以降は最小限に抑えて寝る2時間前からは、水分を控える。

4.「就寝1時間前からは、テレビ・スマホを見ない」

 ・実は、夜間頻尿と深い関係がある。

 ・画面から出るブルーライトは脳を覚醒させ、自律神経のバランスを崩す。自律神経が乱れると膀胱が過敏になり、少しの尿でもトイレに行きたくなってしまうからだ。

5.「利尿作用のある飲み物を控える」

 カフェイン

 ・コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク(カフェインや糖質、ビタミンなどを含む

清涼飲料水)は、腎臓の血管を拡張させて血流量を増やす作用と、尿の量を調節する

抗利尿ホルモンの分泌を抑制する作用がある。

 ・少なくとも就寝の45時間前からはカフェインを入りの飲み物は避けるのが賢明。

アルコール

 ・アルコールもカフェインと同様に、抗利尿ホルモンの分泌を強力に抑制する。

 ・アルコールは睡眠の質を低下させ中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)し易くなる。

6.「夕食は塩分控えめにする」

 ・塩分(ナトリウム)の摂取量も、夜間の尿量に大きく影響します。塩辛い食事を摂る

と、体内の塩分濃度を薄めようとしてノドが渇き、自然と水分摂取量が増える。

 ・具体的には、一日の塩分摂取量は6g以下に抑えることが理想的。

7.「適度な運動で下半身の血流を改善する」

 ウオーキング

 ・特に、夕方(午後4時~6時頃)に30分程度のウオーキングがおススメ。

 ・下半身に溜まった水分を就寝前に効率よく循環させることができる。

 ふくらはぎの運動(カーフレイズ)

 ・「カーフレイズ(カカト上げ運動)」。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ下半

身の血流において重要な役割を担っている。

8.「骨盤底筋トレーニングで尿意をコントロールする」

 骨盤底筋体操

 ・仰向けに寝て両膝を立てリラックスした状態で「おしっこを途中で止める」ような感

覚で、膣と肛門の辺りをゆっくり締める。この時に動くのが骨盤底筋。

 ・「ゆっくり締める・緩める」5秒かけてゆっくりと骨盤底筋を締め、5秒間キープ。

その後、10秒かけてゆっくりと力を抜く。これを10回繰り返す。

 ・「素早く締める・緩める」(キュッ、パッ)と、素早く締めて緩める動作を10回繰

り返す。

 膀胱訓練

 ・尿意を感じてもすぐにトイレに行かず、少しだけ我慢する習慣をつけることで、膀胱

に尿を溜める感覚を再教育し、排尿間隔を徐々に伸ばしていくことを目的とする。

 ・目標設定:我慢の実践➡最初の目標は5分=尿意を感じたら、すぐにトイレに行かず

に、骨盤底筋を緩めるなどして尿意を反らす。目標時間まで我慢できたらトイレに行

く。

 ・段階的な延長: 目標を達成できたら、さらに15分〜30分間隔を延ばし、最終的に2

3時間程度の排尿間隔を保てるようになることを目指す。

 

 

                                              以上